癌の縮小手術後の断端の癌の再発について:乳癌 診断と治療とこれからのことを考えよう 

乳癌の診断法(マンモグラフィーや超音波検査)から手術療法、そして補助療法としての抗癌剤、遺伝子治療、放射線治療などの方法、そして再発に対する予防、心構えなど、今まで乳癌の女性を見てきた医師が各種情報を紹介します。

癌の縮小手術後の断端の癌の再発について

癌というものは、組織の中でできると周囲に広がっていきます。乳房温存手術はその広がり方が、腫瘍から2cmも離れると、ほとんどないだろう、という考え方によっています。では、2cm離れると100%癌の広がりはなくて安全なのかというと、実はそうとも言えません。

手術で癌を取ったとき、その周囲に癌が残っていないかは、顕微鏡で見なければ分かりません。なんといても、触って癌はここまでだと分かるところから更に2cm外側で切っているはずですから。
手術中に顕微鏡で検索する方法もありますが、顕微鏡で見ることができるのは、周囲360度全部検索することはできませんので限界があります。
術後だいたい2週間程度で最終的な顕微鏡の検査結果が出ますが、時に癌が術前に診断したものよりも実際には、顕微鏡的には広がっていて、切除した断端にがん細胞が見られる場合にがあります。
このような場合には追加切除(通常は再手術で乳房切除術)をおこなうか、温存乳房への放射線治療を行います。
実際の所、顕微鏡検査自体が本当に360度全部検索ができるわけではありませんので、切除断端が問題ない場合でも、乳房温存術を行っ多場合には残した乳房内に再発する可能性と少なくするために、放射線治療を行うことが強く推奨されております。

このような治療方を行って、乳房温存手術、放射線治療の追加、等の治療を行っても、残されて乳房から、将来癌が再発する可能性が数パーセントあると言われます。

ですから、これは考え方の問題です。このわずか数パーセントをどう考えるかによって、乳房温存手術を選択するか、乳房全体の手術を選択するか分かれるところです。

一般的には、数パーセントというと、20人に一人くらいですので、その一人を出さないために20人全部の乳房をすべてとる必要はないだろう、と考えられています。

以上が乳房温存手術の考え方です。
この用の乳房を残した場合、その20人に一人になるかどうかのリスクを考えて、十分な経過観察が必要となります。

また乳房が残された場合、切った切りくちに残った癌ではなく、新たな乳がんが発生することがあります。そのような場合にはその時点で乳房切除術を行うことになります。
このようなことを考えるとさらに心配になってしまいますが、その場で適切な治療を行った場合には、最初から乳房全摘術を行った場合でも、最初の治療として温存手術を行い、その後再発した場合に残った乳房の切除を行った場合も、その後どのくらい長生きできるかというと、あまりかわりはないと考えられています。

また、最終的に生命に大きく関わってくる他臓器転移の有無に関しては、最初に乳房温存手術ができるくらいの大きさの乳癌について、乳房を部分的に切除しても最初から全部切除しても全く変わりがないといわれています。

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